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防錆剤の気化、吸着作用

紙に塗布または含浸されている防錆剤は、常温で徐々に気化(昇華)し、その蒸気は密閉された空間をすみやかに充満します。このように固体から液体を経ず直接に気体となる現象は昇華と呼ばれ、身近な例としては防虫剤として広く使われているナフタリンが知られています。この気化した防錆剤は、鉄表面の極めて薄い水被膜中に溶解し、さらに鉄表面に物理的、化学的に吸着し「防錆被膜」を形成します。 この防錆被膜は、鉄を錆の原因となる外気から遮断し錆への変化を防ぎます。この気化性防錆剤による防錆被膜は、膜厚が極めて薄く、鉄表面への吸着力が弱いため、鉄表面に外観上の変化を与えないことはもちろんのこと、鉄地の減少等の変化もないという特長があります。したがって防錆包装後の鉄製品は、表面を洗浄することなく直ちにご使用いただけます。

【図−3】
防錆紙によって密閉された空間における鉄表面への防錆被膜の形成


防錆被膜の形成

 防錆剤の鉄表面への吸着機構には二つあり、その一つは物理吸着で、他の一つは化学吸着です。 いずれにしても図一3のように、鉄の表面に目に見えない防錆剤の単分子膜層の防錆被膜を形成して防錆するものです。この分子は鉄と強固な結合をしているのではなく、鉄表面についたり離れたりしているもので、離れた際にすぐに吸着すべき待機分子が必要です。 また鉄表面に吸着する原子団は、水に溶解しやすく(親水基)、鉄表面の水被膜中に入り込み鉄表面に吸着します。このような吸着能力をもつ原子としては窒素(N)、酸素(O)、リン(P)、イオウ(S)等 がありますが、気化性防錆紙用として実際に使用されているのは、主に窒素原子(N)をもつ化合物でその代表がアミンです。鉄に吸着して防錆力を発揮し、しかも気化性をもっているアミンは多数存在しますが、気化性防錆紙の防錆剤として実際に使用されるには、鉄に対する優れた防錆力の他に
 ◎適度な蒸気圧(気化性)…初期防錆力および長期防錆力に影響
 ◎薬品の安定性
 ◎非鉄金属、非金属に対する影響
 ◎毒性
等を考慮する必要があります。

 一方、銅に対する防錆機構も基本的には鉄と同じ防錆被膜の形成によるものですが、防錆被膜は吸着作用によるものでなく、一般的には、金属と防錆剤との化合物の形成によるものとされています。

【図−4】鉄表面への防錆剤の吸着機構


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●気化性防錆紙の特徴 - もくじ -
1.まえがき
2.気化性防錆紙の特長・種類
3.気化性防錆紙の製造工程
4.防錆紙の気化、吸着作用
5.取り扱い上の注意
 (1)気化性防錆紙の選択
 (2)防錆包装方法
 (3)気化性防錆紙の保管
 (4)気化性防錆紙の取扱い注意事項
 ◎防錆油との併用について
 ◎防錆有効期間について

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